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目的別で活用!動画マーケティングモデルを学ぶ

2018.04.24

コラム

目的別で活用!動画マーケティングモデルを学ぶ

 

マーケティングモデルの基礎とトレンドを理解しよう!

近年、スマートフォンを中心としたモバイルデバイスの急速な普及により、いつでもどこでも手軽に楽しめるインターネット動画がごく身近なメディアとなりました。それに伴って動画広告市場も拡大の一途をたどり、直近3年で10倍超の規模にまで成長したといわれています。

従来の静止画バナーやテキスト広告に比べ、動画が届ける情報量は飛躍的に多く、短い中でも豊かな内容と世界観による表現で、商品やサービス、ブランドの発するメッセージを効果的かつ印象的に届けることができます。

しかしその大きな可能性に注目が集まる一方で、動画コンテンツの制作方法や高い効果を発揮する展開方法など、マーケティングモデルとしての全体を見据えた運用の仕方については、いまだ手探りのケースも多く、基礎的な知識・ノウハウが不足している企業も少なくありません。そこで今回は、本格的な動画マーケティング時代に知っておきたい手法の基礎、活用戦略のモデルやトレンドなどについて解説していきます。

まずは目的を整理、マーケティングの流れをつかむ

動画コンテンツをビジネスマーケティングに活用する際、まず考えるべきは、どのような目的のためか、ターゲット層はどんな人々か、どんな動画をどこで展開するかということです。基本的な点ですが、この要素を明確にしないまま取り組むと確実につまずきます。多彩な表現が可能な動画というメディア手法だからこそ、よりコンセプトを明確に絞っておくことが重要なのです。

認知が不足している、訴求したい層にメッセージが届いていない、リピーターを醸成できていないなど、現状の課題を洗い出し、そこから動画マーケティングの目的とターゲットの設定を行いましょう。あわせて達成の度合いを測る重要業績評価指標(KPI)の具体的な設定も行います。

目的やターゲットを明確化できたら、そのためにどのような動画を制作するかですが、たとえばGoogleでは「HHH戦略」というモデルを提唱しています。3つのHはそれぞれ「HERO型」、「HUB型」、「HELP型」の頭文字で、最も広い対象で潜在顧客の獲得を目指し商品・サービスの認知、話題化を狙うならば「HERO型」が、興味・関心をもつ見込み顧客をファン化したり、具体的な購買行動をとらせたりしたい場合は「HUB型」、すでに顧客やファンとなっている対象者をリピーターに、優良顧客にしたいなら「HELP型」が向くといいます。

「HERO型」はプッシュ型とも呼ばれ、話題性の高い短尺のコンテンツでとにかく拡散を図るもの、そのために面白いもの、かわいいもの、感動するものを内容として、人の心を動かす動画です。SNS上での共有やYouTubeでのチャンネル登録も促し、共感を得ていくことを目指します。クリスマスなどイベント行事とからめた企画動画や人気YouTuberとのコラボなども有効です。

「HUB型」には自社商品・サービスのレビュー動画や、さりげなく自社商品が登場する連続ミニドラマ、ゲームコンテンツなどの動画が該当し、自社とターゲットを継続的につなぐ“ハブ”とすること、繰り返し視聴に訪れたくなるようなシリーズ化コンテンツとすることがよいとされています。

「HELP型」は、よりリピーターとなったコアなユーザーのニーズにピンポイントで応えられるよう、マニュアルやサポート動画、Q&A動画などをコンテンツとします。よく検索されているキーワードなどをもとに、明確な解決策を提示、より信頼できるブランドであることを印象づけていきます。

こうしたタイプ別も意識しつつ、最適な動画コンテンツを制作したら、ターゲットと目的に合うメディアを選定、公開します。オウンドメディアや動画共有サイト、キュレーションメディア、SNSなどメディアも多様です。若年層と親和性の高いSNSサービスに特化したり、ファンコミュニティ限定動画として配信したりとうまく使い分けられるよう、それぞれの特性や機能を把握して企画しましょう。

選定したメディアのスタイルと自然に馴染むコンテンツに仕上がっているかどうかも重要です。あらためて確認し、必要ならば公開前に編集・修正を加えます。

公開後は、先に設定したKPIなど各種指標に基づいて効果を測定、日々ユーザー行動をチェックします。反応をみてコンテンツをブラッシュアップしたり、反省点を別のマーケティング施策や次の動画コンテンツ制作に活かしたりして、効率よくスピーディにPDCAサイクルを回転させましょう。

多彩な活用モデルの検討

以上が基本的な流れにみる動画マーケティングモデルですが、制作したコンテンツの活用モデルを5つに整理して検討した「SHHIP」モデルも注目されています。Viibarによる、人の流れを切り口に考えられたモデルで、流入元と情報発信地点、ゴールとなる狙いを分けてとらえます。

Sは「STAR(人気者)」で、SNS上で共有されるバイラル動画、Hは「HELP(助け)」で、検索に対し疑問の答えを提供するハウツー動画、Q&A動画、次のHは「HABIT(習慣)」で、ファン顧客らのオウンドメディアや自社アカウントを繰り返しチェックする動機づけとなるようなシリーズのネット番組動画です。これらは、ユーザーの役に立つことを優先した“コンテンツ系”として制作します。

次のIは「INSERT(差込)」で、他のコンテンツに動画広告として差し込むもの、Pは「PERSUASION(説得)」で、自社ホームページなどで購入を検討している人の後押しをする説明系の動画です。これら2つが“コマーシャル系”とされ、やや宣伝要素がコンテンツ系より強いもの、直接伝えたいメッセージが主になったものとして制作する動画になります。

購買行動としては、S・H・H・Iで、自社ホームページやチャンネルに集客したユーザーを、最後のPでアクションへ促す流れとなりますから、このつながりを意識してマーケティングモデルの全体を企画、運用していくと高い効果が得られるとされています。

動画マーケティングとしては、SEOももちろん重要です。「HELP」ならば検索エンジン上で自社コンテンツが上位に表示されるよう、キーワードとの関連性を高めなければなりません。

LPOとして、流入先のランディングページを最適化することも大切です。動画の存在そのものが、オウンドメディアの魅力アップにつながり、滞在時間の延長や離脱低下を促進、LPO改善につながるケースもあります。他のコンテンツとの相乗効果でマーケティングの効果を高めていくことがポイントですね。

いかがですか?動画マーケティングについて、少し理解が深まったでしょうか。このほか動画メディアとして、制作コンテンツを広く配信する分散型と、リアルタイムの生放送型というプラットフォームの違いもあります。この異なるプラットフォームも、目的や訴求内容、ターゲットなどに合わせて使い分けていくことが求められていくでしょう。

市場が活況を呈し、さまざまな可能性を秘めた動画広告、動画マーケティングですが、まずは展開目的を明確にするところを最重要ポイントに据え、プロセスを踏んで全体をモデル化、計画的に運用していくことが大切です。ぜひ賢く活用し、ビジネスの成功を引き寄せてください。

(画像は写真素材 足成より)