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今さら聞けない基礎・動画広告の種類と特徴

2018.04.23

コラム

今さら聞けない基礎・動画広告の種類と特徴

動画広告にもタイプはいろいろ!整理して理解を
高速インターネット環境が広く身近に整備されるところとなり、誰もがスマートフォンを中心としたモバイルデバイスを通じ、好みの動画をスムーズに楽しむことができるようになりました。SNSや動画共有サイト上で過ごす時間も年々増大し、そこで得る情報が消費行動に与える影響も非常に大きくなっています。

そのため、かつてはTV CMに代表されるマス広告のみを展開していた企業も、インターネットの動画広告を積極的に活用するようになりました。いまや業種業態、規模の如何を問わず活発に利用されている動画広告ですが、一口に動画広告といってもさまざまな種類があることをご存じでしょうか。

種類によって伝える内容の向き不向き、期待される効果も異なります。理想的な動画広告展開を行うには、まずこうしたタイプ別の特徴を把握すること、それを踏まえた使い分け、活用プランを練ることが重要です。そこで今回は基礎編として、動画広告の種類を、それぞれ比較しつつ解説していきます。

まずは主要な3種類を理解!
多種多様なフォーマット・スタイルが存在する動画広告ですが、大きく分けると「インストリーム動画広告」、「インバナー動画広告」、「インリード動画広告」の3種類があります。まずはこの3つの特徴をおさえましょう。

「インストリーム動画広告」とは、YouTubeなどの動画コンテンツを閲覧している際に挿入表示されるタイプの動画広告です。見たい動画をクリックすると、まずCMが流れ、一定時間が過ぎると「広告をスキップ」が表示されたといった経験はありませんか。こうしたスタイルで挟み込まれる動画広告がこれにあたります。

いつ挿入・配信するかによって、さらに3種類に分類でき、視聴前に広告を流す「プレロール(プリロール)」、動画視聴途中に表示する「ミッドロール」、本編視聴終了後に流す「ポストロール」と呼び分けています。

いずれも映像や音声を用い、ユーザーの視聴デバイスに最適化された大画面で、商品やサービスに関する情報、伝えたいメッセージを分かりやすく印象的に表現することができます。音声もデフォルトでONとなり、確実に視聴者へ届けやすいでしょう。

最もよく利用されているのが「プレロール動画広告」で、動画広告再生開始から5秒間の視聴後、広告スキップか視聴継続かを選択できるのが「スキッパブル」タイプ、広告の再生が終了するまで本編が開始されないものが完全視聴型の「ノンスキッパブル」タイプです。

スキッパブルタイプの場合、視聴完了か30秒以上の視聴、ユーザーによる主体的なクリック動作が行われた場合に課金対象となるため、無駄なコストをかけることなく効率のよい広告出稿が行えます。数分にわたる長尺の広告配信にも向き、より豊かな表現が可能となるでしょう。

それに対しノンスキッパブルタイプの場合は、課金も再生都度でシンプル、ほぼTV CMと同様のかたちで確実に視聴されるメリットを得られます。しかし本編開始を待っているユーザーにとって、30秒といった一定以上の尺の広告は煩わしく不快なものと認知されやすくなることから、6秒前後、長くても15秒までといったストレスを与えないコンパクトな尺でまとめることがポイントになります。

こうしたインストリーム動画広告では、スキッパブルタイプを選択することで、ある程度世界観を深く表現することも可能ですが、全体的に短尺での勝負となるため、主に認知拡大や純粋想起率の向上を目指すキャンペーンでの活用に向くと考えられます。音声ありでの視聴が高い確率で期待できる点も大きな特徴ですから、それを踏まえたキャッチーなコンテンツを制作するとよいでしょう。

残り2種はアウトストリーム配信
次の「インバナー動画広告」と「インリード動画広告」は、先のインストリームに対し、アウトストリームタイプの2種類になります。アウトストリームとは、キュレーションメディアやポータルサイト、オウンドメディアなどの各種Webメディア、Facebook、Twitter、InstagramなどのSNS、各種アプリのフィードに配信するものを指しています。

「インバナー動画広告」はその名の通り、従来のバナー枠に動画コンテンツを配信、リッチ広告として展開させるものです。基本的にスキップ機能はなく、完全視聴型となりますが、音声はデフォルトでオフとなっているのが一般的です。直接メディアに出稿するケースもありますが、動画DSPなどの配信プラットフォーム経由でプログラマティックに表示させるケースが多くなっています。

コンテンツと親和性の高いメディアを選別し、幅広く配信することが容易で、従来のバナー広告よりも高い視認性を確保、多くの情報量を届けることができるメリットがあります。YouTubeなどで動画を視聴しようとしているユーザーだけでなく、オンライン上の多くのユーザーを対象とでき、セグメントを切ってターゲティング配信を行うことも可能です。

マウスオーバー2秒超でエキスパンド表示に切り替える、スクロールに伴って枠を動かすなど、インタラクティブな表示が可能なメディアも増加してきました。ユーザーは自分の興味関心があるページやサービスの中で、自然にこの広告という情報に触れることとなりますから、比較的不快感を覚えることなく、むしろ情報収集の窓口のひとつとして接してくれる可能性が高いでしょう。

ただし出稿先とそぐわない内容やイメージの動画広告となると、不愉快に思う人も増えてしまいます。マッチングに注意し、音声をオンに切り替えて視聴してみたくなるコンテンツ、またオフの状態でも最低限の内容を理解できるコンテンツとなるよう心がけた制作を行うのが成功の秘訣ですね。

3つ目の「インリード動画広告」は、Webメディアの記事内に挿入されるタイプの広告です。比較的新しいフォーマットで、ユーザーが記事を読み進め、画面に枠が入った時点から動画が自動再生されます。なお自動再生ではなく、クリック再生のかたちをとるケースもあります。

こちらもインバナー動画広告と同様に、対象メディアへ直接出向するほか、動画DSP経由で配信・表示させる流れになります。興味関心をもって接しているメディアのメインコンテンツである記事と自然になじむかたちで並列表示されるため、視認性が高く、かつ動画サービスにアクセスしないユーザーにも広くアプローチすることができるでしょう。

ユーザーは画面スクロールを進めることで、結果的に動画視聴をスキップすることが可能ですが、少しでも興味をもった場合、コンテンツを必ず頭から見せることができるので、狙ったイメージやメッセージを、ターゲットに対して正しく印象的に、効率よく届けやすいメリットがあります。

この頭から確実に再生されるという特徴から、ストーリー性のあるコンテンツとするのが適切でしょう。広告を過剰に意識させることなく、自然に出稿先メディアのコンテンツとともに楽しめるよう工夫することが望ましく、それによってよい印象を残しやすくなると考えられます。スマートフォン向けプロモーションとの相性が非常に優れたタイプとなりますから、その点も参考に活用を検討してみてください。

いかがでしたか。今回は動画広告について、主な3種類を取り上げ、それぞれを整理してご紹介してきました。これ以外にもさまざまなスタイルの動画広告フォーマットが登場してきています。まずは出稿する目的やターゲットとする層を明確にし、それに合ったフォーマットの選定とコンテンツの制作を行いましょう。

(画像は写真素材 足成より)