人を惹きつけクリックさせる!
動画マーケティングを展開する上で、何より重要なことは多くのターゲット層にリーチすること、コンテンツを視聴してもらうことですね。どんなに素晴らしい内容となっていても、アクセスし視聴してもらわなければ始まりません。
そのためSEO対策など、さまざまな戦略をとっていくわけですが、次々に投稿されてくる膨大な動画の中で効果的に目立ち、ターゲット視聴者を惹きつけてクリック率をアップさせていくのに、非常に重要な役割を果たすのが動画の「サムネイル」です。そこで今回はサムネイルにスポットを当て、その重要性や作成のコツ、設定方法などを解説していきます。
基礎・サムネイルとは?なぜ重要?
「サムネイル」とは、動画や印刷物などまとまったコンテンツについて、視認性を高め、概要を示すことを目的に、簡単な視覚化を図って縮小表示させる見本画像のことです。親指の爪(thumb nail)のように小さい画像、簡潔な表示であることから、この名がつけられています。
動画をシェアした際にページで表示される画像や、YouTubeなどの検索結果ページで動画ごとに示される小さな見本画像がこれにあたります。
その動画の内容をまだ知らない人にとって、サムネイルは最初に目にする情報であり、その動画がどんなものなのか、自分にとって見るべき価値のあるものか判断する第一材料になります。本ならば表紙・タイトル、人であれば第一印象の顔といったものになるでしょう。
多くの場合、ユーザーはこのサムネイルを手がかりとして本編を視聴するか否かを決定します。ですから直感的に「気になる!見てみたい」、「何か面白そう」といった感情を引き起こすような魅力的な画像にしておくことがとても重要なのです。
動画コンテンツを作成・投稿する側は、伝えたい内容をいかに表現するか、本編の企画・制作にこそ時間と労力を注ぎ込むため、その熱意のあまりコンテンツが完成すると、サムネイルの重要性を忘れ、とくに気を配ることなくデフォルトで公開してしまうケースがしばしばあります。
しかし実際の視聴ユーザーは、サムネイルで行動を決めているのです。とくに検索結果のような一覧表示で多くの情報を目にしたとき、人間は豊富な情報を高い視認性で伝える画像により注目する性質があります。そのためタイトルテキストももちろん重要ですが、サムネイルでまず興味をひくこと、スクロールの手を止めさせることが大切なのです。
実際、動画のサムネイルにこだわり、ターゲット層に適した効果的なものへと変更すると、それだけで再生回数が10倍、100倍になったという事例が多数報告されています。コンテンツへの期待感を高め、内容を的確にアピールする画像とすれば、視聴を途中で中止して離脱するユーザーの発生を防ぎ、最後まで視聴を続けてもらいやすい環境を作り出す効果も得られます。
このようにターゲットとなる視聴ユーザーをキャッチし、動画本編をもれなく視聴してもらうため、非常に大きな役割を果たすのがサムネイルなのです。
どう作る?押さえるべきポイント
重要性が理解されたところで、次はどんなサムネイルがアピールに効果的であり、それをどう作成していけばよいのか、具体的に作り方をみていくこととしましょう。
再生回数を稼ぎ高い成果・効果をあげている動画のサムネイルには、一定の共通点があります。まず自動設定されるものではなく、カスタムサムネイルであること、これは基本ですね。そしてスマートフォンの小さな画面など、ユーザーが用いるデバイスの多様さも意識し、大きさにかかわらずはっきり表示が見える高解像度なもの、鮮やかで印象的なものが選択されています。
人の顔を含む画像にする場合は、できるだけ豊かな表情のものをアップで使う、画面全体の3分の1程度を占める大きさで用いると効果が高いといわれています。キャッチコピーになるような文字などと組み合わせ、何の動画かがすぐ分かり、印象にも強く残る画像に仕上げましょう。
ただし多すぎる文字は逆効果ですから、多くても10文字以内、できるだけ短く小さな表示でも、ぱっとはっきり読めるように気をつけます。文字に白い縁をつけて引き立たせるといった工夫も有効です。
アピールしたい商品やサービスの象徴がある場合は、それを目立たせる画像にします。背景色も被写体を引き立てつつ、単独で目立つものとすることで、クリックを誘発させられるようになります。
意外性やインパクト、それだけで視線を集める画像を選択するのも効果的です。ただし動画の内容を反映しているものとし、誤解を招いたり冒瀆的で物議を醸したりするものは避けましょう。目立つことを意識するあまり、ブランドやアカウントに傷をつける結果となってはいけません。この部分は慎重に検討することをおすすめします。
画面を9等分した水平・垂直に2本ずつの線を意識し、その線上や交点に重要な要素を配置する、視覚芸術の「三分割法」を適用したものも高い効果を発揮しています。プロのような構図の安定性と高いバランス性を得やすい方法ですので、参考にしてください。
設定や変更の方法
高い効果の期待されるサムネイルの特徴がつかめたら、そうした画像を複数の中から選択できるよう、動画撮影を開始する時点からある程度意識して作業するようにします。
撮影後に候補となる画像を絞り込んだら、拡大・縮小でどんなサイズでも見やすいか、見栄えがするか、客観的に確認検証を行いましょう。サイズ・仕様はYouTubeの場合、2MB以内の1280×720(16対9の縦横比率)、JPG、GIF、BMP、PNGなどとします。
選んだ画像をカスタムサムネイルとして設定する方法ですが、ここでは主要なものとして、YouTubeの例でご紹介しましょう。
まず新たに投稿する動画の場合、コンテンツのアップロードを実行してください。この処理における最終段階で「動画のサムネイル」というセクションから「カスタムサムネイル」が選択可能となっていますので、ここで採用するサムネイル画像をアップロード、保存登録すればOKです。
すでに投稿している動画のサムネイルを変更する場合は、まず「クリエイターツール」から「動画の管理」を選択します。一覧表示された中から該当動画の横にある「編集」をクリック、プレビュー画面右側に表れる「カスタムサムネイル」を選んでください。あとは新規投稿と同様、適用したいサムネイル画像をアップロードし、「変更を保存」で完了となります。
なおYouTubeにおけるカスタムサムネイルへの変更は、アカウントが電話やSMSで確認済みのものとなっていることが利用条件になっていますので、「カスタムサムネイル」メニューが表示されない場合は、その点をチェックしてみましょう。
いかがでしたか?動画マーケティングを展開する場合、サムネイルはきわめて重要な役割を果たします。これだけでそんなに違いがあるのかと思われる方もあるかもしれませんが、再生回数アップの秘訣はこうした地道なポイントの積み重ねにあります。思うようにリーチできない、視聴回数が伸び悩んでいるなら、ぜひサムネイルの工夫から始めてみましょう。
(画像は写真素材 足成より)