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多様な動画マーケティングの種類を整理!確実な効果アップへ

2018.05.16

コラム

多様な動画マーケティングの種類を整理!確実な効果アップへ

あふれる動画マーケティングの全体構図をつかむ!
今や誰もが知る動画投稿共有サービスの「YouTube」がスタートしたのが2006年のこと、それ以来さまざまな配信プラットフォームや動画共有の仕組みが生まれ、一般生活者の日常にインターネット動画の視聴という体験がごく自然なものとして溶け込んできました。

こうした環境が整うまでの時代においては、動画を用いたプロモーションといえばほぼTVに限定され、TV CMや通販番組など高額なコストがかかるものであったことから、マーケティングに動画を用いるのは、大企業を中心とした一部の企業に限られていたといえます。

しかしインターネット上のWeb動画がその存在感を増し、身近で影響力を発揮するものとなった今、これをコンテンツとして活かす動画マーケティングが、あらゆる業種業態、あらゆる規模の企業・団体で実施可能になっているのです。ごく低コストで始められ、狙ったターゲット層へのアプローチがしやすく、拡散力にも優れたこの手法は、むしろもはや活用しない手はないと考えるべき時代にあるといっても過言ではありません。

一方であまりに急速な市場の広がりとなったことから、動画マーケティングの全体像は理解しづらく、どこから手をつけ、どのように展開させればよいのか、戦略の立て方ひとつをとっても迷ってしまうケースは少なくありません。

そこで今回は、動画マーケティングの種類を整理し、全容を理解するとともに、仕事として取り組む上での押さえるべきコツなど、それぞれのタイプ別で目指す効果を得るための手法を学んでいくこととしましょう。

動画を純粋にコンテンツとするか、広告とするか
まず、動画マーケティング全体をざっくりと2つに分ける見方で考えてみます。1つはマーケティングに用いる動画を、よりひとつの作品、楽しめるコンテンツとして制作し、コンテンツマーケティングとして展開するもの、もう1つは動画広告を制作してマーケティングに用いるものです。

前者の場合、動画が直接的に商品やサービスを宣伝するものではないため、広く自然なかたちで視聴ユーザーに受け入れてもらいやすい、煩わしい存在として途中で視聴を中断されたり、かえってその存在と再生されることそのものがブランドイメージの悪化を招いたりすることが少なく、制作するにあたっての自由度も高くなります。

しかし自由度の高さは、裏返すとそれだけ表現が問われるということであり、その質を高めることはもちろん、配信方法などの戦略もより緻密に一から練っていかなければならないということを意味しています。

認知向上に寄与する短尺のインパクトある動画を、SNSとも結びつけて拡散する、キャンペーンと連動させるといったスタイルや、ブランドの世界観をじっくり描く映画やドラマのような長尺動画を共有サイトやオウンドメディアに投入していく方法、YouTuberとコラボするなどおもしろハウツー動画を定期的に継続して投稿していく方法など、シーンや目的に応じて工夫を凝らし、ターゲットを惹きつけてファンを醸成していくこと、長期的な視点でビジネスに多大なメリットをもたらす優良顧客を増やしていくことが最大の狙いになるでしょう。

後者の動画広告を制作するタイプは、よりイメージしやすいかと思います。YouTubeなど視聴ユーザーが選択した任意の動画が再生される前に挿入したり、Webメディアの広告欄に配信したりするもので、TV CMのように商品やサービスを端的に訴求してアピールします。

動画広告のタイプとして、第1にYouTubeなどでメインコンテンツの前に自動再生されたり、キーワード検索の結果と次に再生される関連動画の表示箇所などに表示されたりする「TrueView広告」があります。一定秒数以上視聴されると課金される仕組みで、ユーザーに不快感を与えないよう、短尺にまとめるのがポイントです。配信対象のユーザーを詳細に設定することも可能なので、うまく用いれば費用対効果が高く、TV CM以上の効果が見込めるでしょう。

第2には「インバナー広告」があります。かつてのポータルサイトなどにおけるバナー広告欄に展開させる動画広告と考えればよいでしょう。クリックで課金発生となる仕様が主流で、とにかく多くのユーザーに見てもらいたい、知ってもらいたい場合に向きます。音声なしでの再生ケースも多いため、テキストをうまく組み合わせた動画コンテンツとすると、理解度を高めやすいと考えられます。

第3は「インリード広告」で、Webメディアの記事コンテンツとなじむかたちで挿入する動画広告で、ユーザーのスクロール動作とあわせて再生を開始します。メディアが対象としているユーザーの興味関心に合う内容であること、掲載先のフォーマットや内容との関連性が強いものであることが成功の秘訣で、ターゲットを絞り込んだPRに向きます。逆に掲載先とそぐわない動画で配信してしまうと、邪魔な広告という印象を植え付けてしまう可能性があり、ブランド毀損につながりかねないので、十分な計画設計、戦略設計段階での詰めが仕事として必要です。

第4には「インフィード広告」と呼ばれるものがあります。TwitterやFacebookなどのSNSと親和性の高い動画広告で、投稿コンテンツの間に挿入されます。視認性が高いほか、広告としてそこまで邪魔な印象を与えにくく、配信タイミングなどの設計もしやすいでしょう。クリック課金タイプが主流で、やはり音声なしで隙間時間にチェックするケースが多いため、ミュートでも内容が理解できるよう、テキストを効果的に用いるなどあらかじめ工夫した動画制作を行っておくことがポイントです。

広告のタイプではありませんが、近年のモバイルシフト、スマートフォン中心となった情勢を踏まえると、配信先としてWebだけでなくアプリも重要視していくことが大切になってきました。ターゲットとするユーザー層がよく利用するコミュニティアプリ、特定の関心事をもった人がダウンロードして集まっているアクティブ性の高いアプリを抽出し、起動時のファーストビューとして動画広告を配信すると、高い広告効果、マーケティング効果が狙えるでしょう。

アプリ動画マーケティングとして、今後大きなジャンル、市場のひとつになっていく可能性も大いにあると考えられるため、ここで追加紹介しました。

動画の種類別で考える
動画マーケティングの種類を整理する際、コンテンツである動画のタイプ別で考えるのも有用です。マーケティングに用いる動画は、その目的から大きく3タイプに分けられます。

1つは「集客動画」で、とにかく多くのユーザーに知ってもらうこと、拡散してもらい興味関心のある人を集めて目標行動をとるよう促すことを目的とします。見込み顧客、潜在顧客の掘り起こしに用い、キーワード選定を工夫した短尺動画で、情報をコンパクトに伝え、検索上位に表示されることを目指すとよいでしょう。市場にどのようなニーズがあるのか、アクセス状況から分析する際にも使える動画です。

2つ目は「コンバージョンアップ動画」で、興味関心をもったユーザーを動画視聴へ誘引、商品の購入や資料請求、会員登録といった目指すべきコンバージョン(最終結果)につなげることが狙いです。集客動画より詳細な内容まで盛り込んだやや長尺のプロモーション動画や、体験談を含んだ動画、セミナースタイルの動画などが活用できます。

3つ目が「エンゲージメント動画」で、すでに顧客となっているユーザーや高い興味関心をもっているコアユーザーを対象に、より満足度を高め、深い信頼関係を築くことを目的とします。企業ブランディングなどに有効で、ストーリー性の高いやや長めの尺をもったコンテンツが向きます。このタイプの動画マーケティングでは、顧客の長期的なファン化、リピート率アップを狙うことができるでしょう。

いかがでしたか。動画マーケティングについて、理解を深めることができたでしょうか。注目度の高い動画マーケティングも、ただ動画を制作して公開すればよいというものではありません。目的を明確にし、ターゲットと達成すべき目標、そのために用いる予算や仕事量と目標達成に必要な条件の関係性、効果指標といった戦略の基礎となる計画を具体的にしっかり立てることが大切です。

その上で適した動画コンテンツ、配信先を選定し、他のマーケティング手法ともリンクさせながら、PDCAをうまく回していきましょう。

(画像は写真素材 足成より)

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